第34話 本質を考える③ 真心②
マネジメントのヒント
前話に続き、真心の話をします。
上皇明仁さま、上皇后美智子さまは、天皇・皇后の時、被災地訪問と戦地慰霊を続けられました。
広く知られるのは、東日本大震災での被災地訪問です。
心臓の冠動脈に異状がみつかり、手術も検討されていた中、上皇明仁さまは、被災者に寄り添うことを優先されました。
上皇さま、上皇后さまは、「被害の大きいところを先にしようとしても、しばらく待つことになる。規模が小さくても、被害に遭った一人ひとりの苦しみは変わらない」と、都内・近郊の被災地から訪問されたそうです。
震源地から遠い、都内・近郊は被害が小さいから・・・と考えるのが普通です。
「被害に遭った一人ひとりの苦しみは変わらない」というお言葉は、被災者の心に真剣に寄り添っていないと出てきません。
被災地に赴き、ひざをつき被災者に寄り添う姿は、声をかけられた被災者本人だけでなく、周りの被災者、テレビで見る国民皆が救われました。
東日本大震災だけでなく、被災があるたびに広く訪問され、被災者に寄り添われました。
戦地慰霊では、「石ぐらい投げられてもいい」との覚悟で、沖縄を訪問されました。
国民の心だけでなく、戦没者の心に寄り添うことにも、心をくだかれました。
パラオ共和国への訪問では、ミクロネシア三国の、ミクロネシア連邦大統領夫妻、マーシャル諸島共和国大統領夫妻も、パラオ国に来て下さり、一緒に慰霊をしてくださったそうです。
サイパン島と硫黄島にも、慰霊の旅をされました。
国民だけでなく、戦没者の心にも寄り添われました。
もちろん、あの戦争を美化することは許されませんし、それは上皇明仁さま、上皇后美智子さまの心にも反することです。
しかし、戦没者への慰霊の気持ちは忘れてはいけないと思います。
上皇明仁さま、上皇后美智子さまのことを思う時、心に静かな感謝がわき上がります。
お二人の真心に対する感謝がわき上がります。