第7話 「鬼滅の刃」にみる、竈門炭治郎の共感力
その他
コラム「よりよい組織作りのために」の中で、共感力の大切さをお話しました。
この共感力を、数年前より大人気の、「鬼滅の刃」の中に見ることができます。
※一部ネタバレがあります。
それは、主人公の竈門炭治郎が、鬼を退治する時に見せる姿勢です。
鬼狩り達は、鬼を憎むべきものとして、一太刀のもとに滅していきます。
しかし炭治郎だけは、鬼の「鬼になる前の境遇」にも思いをはせます。
物書きをめざし挫折し鬼になったのに、鬼の首領から見限られた「鼓を持った鬼」との戦いでは、踏みそうになった「その鬼が生前書いた原稿」をわざわざ避け、その鬼の術を「凄かった」と認めます。
鬼は、「小生の書いたものはゴミなどではない。踏みつけにされるような物ではなかった。血鬼術も鼓も認められた※」と涙を流しながら消えていきます。それを「成仏してください」と炭治郎は見送ります。
鬼滅の刃 第3巻第25話「己を鼓舞せよ」 ※一部変
那田蜘蛛山の人形を操る鬼との戦いでは、最後に残った鬼「累」が、水柱の富岡義勇に首を切られます。
消滅し始めた累の身体から、抱えきれない程、大きな悲しみの匂いがした時、炭治郎は累の身体に優しく手を伸ばします。
炭治郎が優しく累の身体に手を伸ばした光景を、(はねられて身体と分かれた)累の首が見て、人間だった頃の記憶を取り戻し、父母と出会い、父母の愛に包まれ、ごめんなさいと言いながら、消滅していきます。
鬼滅の刃 第4巻第43話「地獄へ」
人の行動の背景には、いろいろな事情、思いがあります。
その背景を察することができる、その背景に共感することができるのが、優しく、強いリーダーです。
時には、失敗したり、悪いことをしたりする従事者がいるかも知れません。
その時、悪いことは悪いとしかり、しかし失敗した背景をフォローできるような、強いリーダーの下で、働けたら幸せです。