第12話 「鬼滅の刃」にみる、竈門炭治郎の共感力(相手の気持ちになる力)②
その他
本日は、第7話の続きになります。
「鬼滅の刃」遊郭編のテレビ放送が終わったので、遊郭編の内容について、触れたいと思います。
一部ネタバレがありますので、遊郭編をまだご覧になってない方は、ご注意ください。
炭治郎の共感力に、もっとも胸を打たれたシーンの一つが、遊郭編の鬼の消滅シーンです。
鬼の首を切ることによって鬼は消滅しますが、遊郭編の鬼は、兄と妹が一体であり、二人同時に首を切らないと消滅させることができません。
最後、二人一緒に首を切り落とした時、二人の首は、すぐ近くに、向き合って落ちます。
向き合った首はお互いをののしりあい、負けたのを片方のせいにします。
そこに炭治郎が表れます。
兄が、妹に、「お前なんか生まれてこなければ良かっ・・・」と言いかけた時、炭治郎が兄の口を塞ぎ、
「嘘だよ。本当は、そんなこと思ってないよ。全部嘘だよ。仲良くしよう。この世でたった二人の兄妹なんだから。・・・途中略・・・。だからせめて二人だけは、お互いを罵り合ったら駄目だ」と涙を流します。
それを、皮切りに二人の鬼は、素直な気持ちを出し始めますが、すぐに妹は消滅してしまいます。
残った兄は、鬼になる前の、不遇の生い立ちを回想します。
最後、妹を残し、一人地獄に進もうとする兄を、妹が追いかけ、「絶対離れないから、ずっと一緒にいるんだから」とすがりつきます。
兄は、妹を背負って、歩き出します。そして、兄が消滅します。
寂しそうに見つめる炭治郎が「仲直りできたかな?」とつぶやき、禰󠄀豆子が強くうなずきます。
鬼滅の刃 第11巻 第96,97話「何度生まれ変わっても(前編,後編)」
炭治郎の優しさ、共感力が際立つシーンです。
悪いことをすれば、叱らなければいけません。悪いことは悪いと指導すべきです。
しかし、叱りながらも、相手の境遇に思いをはせ、気持ちを汲むことはできます。
従事者は、共感してもらった(或いは共感しようと努力してくれた)相手を、大切に思うでしょう。
その積み重ねが、人間関係を作り、組織を強くしていきます。
共感する心を大切にしたいものです。