TOP
衛生管理コラム

第44話 仕組みを作り込む③ HACCP/FSSC対応ペストマネジメントを例として

よりよい組織作りのために

HACCP/FSSC対応ペストマネジメントのモニタリングの仕組みについて考えます。

例えば、防虫計画をしっかり立て、それに合わせたモニタリング計画を立て、定期的にモニタリングをおこないます。
トラップは数日内に処理され、モニタリング結果は表だけでなく、分かりやすいグラフや図面付きで出ます
ここまでしっかりおこなったとします。
次におこなう、モニタリング報告会(※コラム「ペストマネジメント」第32話を参照)について考えます。

例1
品質管理担当者が、害虫管理会社から説明を受けるだけの報告会だったらどうでしょう?

品質管理担当者だけでなく、工場長、各製造ラインの責任者まで集まり、害虫管理会社から説明を聞く報告会とします。
例2
工場長は忙しいので、遅れて来たり、途中退席をしたりします。製造ラインの責任者も、急な製造が入れば会場に来ません。
例3
工場長が、報告会の時間を優先し、必ず出席します。前回の決定事項の進捗状況を皆で確認します。
工場長が報告会の終わりに、必ずまとめのコメントを入れます。製造ラインの責任者も報告会を優先し、急ぎの製造が入った場合は、報告会前に品質管理担当者に欠席の連絡をして、その後、報告会の内容を品質管理担当者から教えてもらう様にしています。

仕組み作りのかけ算での、報告会のかけ数はどうなるでしょうか?
例1が、×0、1~0.2 でしょうか?
報告会を開いたとして、
例2では、皆が報告会のことを軽く見て、×0.3~0.5くらいでしょうか?
例3では、皆が「報告は大切である」と認識して、決まったことを守ります。報告会では、自分の意見も述べます。
この場合、効果は、×1.5~3.0くらいではないでしょうか?

例1~3、どのように報告会をおこなうかで、HACCP/FSSC対応ペストマネジメントの効果に、大きな差が出ます。

最新の衛生管理コラム 6件

マネジメントのヒント
第58話 戻れない時にとらわれず・・・ 前回まで、「人の一生は短い。後悔はせんように」 「今の仕事をやりつくそう」というお話をしました。 大学時代は、研究者として、大学に残るのが夢でした。 「目標」でなく「夢」という当たり…続き
マネジメントのヒント
第57話 行き詰まった時に思い出したい言葉③ 補える(おぎなえる)関係 TVアニメで「人は補ない(おぎない)あって生きていくもの」と言っていました。 主人公の駄目大学生が、理想の彼女と知り合い、好きになり、やがて結ばれていく内容で、 …続き
マネジメントのヒント
第56話 行き詰まった時に思い出したい言葉② 同じくNHK連続ドラマ小説の一場面。 植物学雑誌創刊に向けて、主人公の万太郎の部屋に友人が集まり、 論文を書こうとしても、筆が進まず、うだうだやっている学生をよそに、 万太郎は植物のスケ…続き
マネジメントのヒント
第55話 行き詰まった時に思い出したい言葉① 先日、NHK朝の連続テレビ小説「らんまん」で、印象に残るシーンがありました。 それは、主人公の万太郎が、植物学を追究するか迷っていた時、 「ジョン万次郎」こと中濱万次郎が、自身の経験を…続き
ペストマネジメント
第103話 人は理解しないと動けない 前話で食品衛生7Sについてお話ししました。 食品安全ネットワークによって、はじめて分かりやすく解釈され、提唱さたた食品衛生7S それまでは、整理、整頓、清掃、清潔、躾(しつけ)と、ただ5つ…続き
ペストマネジメント
第102話 食品衛生7Sを考える② 食品衛生においては、清潔な環境が最終的な目的になります。 その清潔を、実現するための行程を表しものが、食品衛生7Sです。 整理で、製造現場から不必要なものを取り除きます。 整頓で、残…続き