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衛生管理コラム

第49話 「工夫されないペストマネジメント例」② 安易な捕虫紙同定

ペストマネジメント

モニタリングで虫の数が多いと、中央付近の一部だけを調べ、それを単純に10倍していることがあります。
この方法ですと、中央付近の一部に捕獲されていない虫は0になります。
中央付近に、偶然、捕獲された虫は、10倍として表れてしまいます。
問題となる虫が捕獲されていても、中央付近で捕獲されていないと、ノーチェックとなってしまいます。
ざっと考えても、これだけの問題があります。

「第2話.あなどれない虫対策②」で、ペストマネジメント(虫対策)の大切な役目として、モニタリングでの一般的衛生管理状況の確認をお話しました。
昆虫調査がその場所の環境を推測するためにおこなうのであれば、その場所の環境を網羅(もうら)できるような調査をおこなうべきですし、得た結果を活かせるようなまとめ方をしないといけません。

中央部の一部だけを見て、それを10倍するというのは、「昆虫調査によってその場所の環境を浮き彫りにする」という目的を無視しています。

全体を見て、問題となる虫が捕まっていないか、異常はないか、捕虫紙をチェックしなければいけません。
捕獲数の推定も、数が少なくなる両端を別に数えるなど、できるだけ誤差がないように工夫が必要です。

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