第5話 思い込み①「従事者はやる気がある」その2
よりよい組織作りのために
本コラムは、よりよい組織作りのヒントを目指しています。
第5,6話では、どうしたら従事者のやる気を引き出せるかを考えたいと思います。
もっとも大切なことは、信頼され好かれるリーダーになるように精進することです。
「好かれる必要はない」という方もいるかも知れませんが、従事者が「あの人のためなら・・・」となった時、高い能力を発揮することを考えると、好かれるというのも大事な要素だと思います。
信頼されるためには、いろいろありますが、まず仕事ができて、自分に厳しく、客観的にものごとが見れることです。
もっとも大切なのは、従事者と向き合い、従事者を知ることです。
従事者と向き合うこととは、次のことを知ることです。
①従事者(の背景)
②従事者の価値観
③従事者の気持ち(相手の気持ちになる/気持ちを考える)
従事者の背景は、雇用形態、待遇、家族構成、かかえている苦労などです。
従事者の価値観は、何を大切にしているかです。
従事者の気持ちは、その行動を起こしたときの従事者の気持ちです。
特に従事者の気持ちを知ることは大切です。
例えば、従事者がマイナスの気持ちがあり、問題を起こしたとします。
この時、問題だけを指摘するのでなく、問題になったマイナスへの気持ちへのフォローもあると、同じような問題が起こるのを防ぐことができるかも知れませんし、その従事者のパフォーマンスを引き上げることができるかも知れません。
間違ってはいけないのは、従事者のことを知って、同情しても、仕事上では甘やかさないことです。
どんな事情があっても、仕事のパフォーマンスを下げてはいけません。
事情を知って、気持ちをくんで、従事者に「今、必要な」適切なアドバイスをしてください。
手を差し伸べるのは、仕事がオフの時です。
例え、仕事で厳しくても、オフの時、ゆっくり話に耳を傾け、気持ちにより添うことができれば、従事者との絆はできます。
仕事で困ったとき、確かに、上の人に助けてもらうことはあります。
しかし、数日仕事で無理してくれたり、一緒に難局を乗り越えたり、同僚や従事者に助けられることも多いと、私は思います。
次回は、従事者のやる気の引き出し方をお話します。