第20話 力を発揮するために、捨てなければならない2つの思い込み③
よりよい組織作りのために
力を発揮するために、捨てなければならない2つ目の思い込みは、「欧米は日本より優れる」です。
この「欧米は日本より優れる」という思い込みを捨て、日本人の良さを再確認するだけで、組織は生き返ります。
日本人には、昔から白人に憧れるところがあります。
明治維新自体が、欧米人によって近代化がもたらされた様な感覚であったり、戦後の復興が欧米の後追いの様な感覚であったり、外資系企業やグローバルへの憧れであったり、食品業界の認証制度も欧米が先行したりといった様な感覚です。
広告やチラシを見ると、日本人向けであるにもかかわらず、欧米人のモデルであることが多いですし、格好良いというのが、欧米人のスタイルであったりします。
その結果「欧米は日本より優れる」と思い込み、HACCPやFSSCについても、苦手意識をもってしまっているように思えます。
しかし、それは思い込みです。
昔の日本人は、誇りを大切に、自然を愛し、先人を敬い、とても勉強家でした。
江戸時代の識字率は、世界トップクラスでした。武士が通ったような藩校はなくとも、町人は寺子屋で学びました。
衛生意識は高く、城下町には上下水道が設けられていました。
文化として培って(つちかって)きた「日本人らしさ」は、明治以降、充分に力を発揮し、最終的に、太平洋戦争まで突き進んでしまいました。
戦後、欧米人は、二度と日本が立ち上がれないように、教育を変え、日本人らしさを消滅させて来ました。
日本人は、先祖を大切に思う気持ち、感謝の気持ち、正しい歴史、歴史への誇り、道徳教育、自信など、全てを奪われてしまいました。
高度経済成長、GDP世界第二位だった実績も、バブルが崩壊し、GDPも長年停滞し、外国人労働者の流入と規制緩和によって、賃金上昇もなく、まるで自信を失ってしまいました。
あの手この手で、「日本人らしさ」を奪われて来ましたが、それでも、日本人の心に残った「日本人らしさ」は素晴らしいです。
日本人は、和を大切にし、相手を思いやることができます。
どんな時も秩序をもった行動ができます。
仕事や商品に工夫を凝らし、よりよいものを作れます。その他よいところを、いっぱいもっています。
HACCPやFSSCにしても、ただ欧米に追従するだけでなく、日本人らしくおこなえばよいのです。
日本発の食品安全マネジメント(JFS規格)も素晴らしいです。
「欧米は日本より優れる」という思い込みを捨て、日本人の良さを再確認するだけで、組織は生き返ります。
日本人の良さを信じて、組織作りをして欲しいと思います。
追伸、日本人の良さを、「その他」コラムで、具体的にお話していきます。
そちらにも目を通していただけると幸せです。