第23話 HACCP/FSMS対応ペストマネージメントのモニタリング⑥ 虫の調べ方
ペストマネジメント
HACCP/FSMS対応ペストマネージメントにおけるモニタリングの目的は、防虫計画の対策がうまく稼働しているかを確認することです。
うまく稼働しているかを確認するために、モニタリングにより環境状況を把握します。
モニタリングは、環境を把握しやすい様に、問題を見落とさない様に、おこなわなければいけません。
もっとも理想的なのは、「(製造工程を分析し、現場を確認し、)防虫計画を立てた人」、「モニタリングおよび防虫作業をおこなう人」、「虫を調べ、結果をまとめる人」が同じであることです。
なぜならば、虫を調べながら、現場を思い浮かべ、場合によっては検証できるからです。
「虫を調べ、結果をまとめる人」と「モニタリングおよび防虫作業をおこなう人」が別な場合は、連携がとても大切になります。
昆虫は、世界中で100万種以上、日本国内だけでも3万種以上が報告されています。
種類が多い上に、それら全てを網羅した図鑑もなく、全ての名前を調べることは不可能です。
モニタリングの目的は環境の把握であり、捕獲された虫は、最終的には(第25話でお話しする)数通りにまとめられます。
そのため、捕獲された虫を細かく調べることはしません。
よほど問題となるものを除いて、虫を細かく調べる必要はなく、大まかな同定(虫の名前を調べること)で充分です。
同じ種類の虫が明らかに数多く捕獲される場合は、その虫は注意する必要があります。
その様な場合、虫の名前(種名)を調べることが可能であれば、虫の名まで調べることがあります。
細かく調べるのが好きな人もいるかも知れませんが、同じ時間を使うのであれば、虫を細かく調べることより、調べた結果を分かりやすく表すことに時間を費やすべきです。