第21話 大学時代、指導教官からの戒め(いましめ)
その他
コラム「よりよい組織作り」の中で、自信過剰の話をしました。
今話では、大学時代に、周りに冷たい態度を取り、指導教官から戒められた話をしたいと思います。
卒論発表の練習で、後輩が、研究を怠けていたせいでデータが揃わず、問題となりました。
私は、自分の実験に追われていたこともあり、冷たく席を立ち部屋を後にしました。
その夜、指導教官が部屋を訪れ、「君は、「ノブレス・オブリージュ」を知っているか」と話し始めました。
「ノブレス・オブリージュ」は、フランス語で、直訳すると「高貴さは(義務を)強制する」を意味します。
「身分の高い者は、その身分に応じた、社会的責任と義務がある」というものです。
特に英国ではこの考えが浸透し、第一次世界大戦では、貴族の子弟の戦死者の割合が、平民階級の戦死者の割合より、はるかに高かったそうです。
貴族の子弟が、より危険な任務に率先してついたためと言われます。
指導教官は、私に「自分のことだけ考えるのでなく、先輩としての役目をはたせ」と伝えたかったのだと思います。
私は、特別な能力があったり、ましては高貴であったりはしません。
しかし、たくさんの人に助けられ、応援され、チャンスをいただきました。
そのことを考えると、次世代への、責任/義務を感じずにはいられません。
コラム「よりよい組織作りのために」では、組織を運営するために大切なことを書いています。
しかし、実際には、リーダーの皆様は、理想論では片づけられないことに、直面することもあると思います。
悩んだり、腹が立ったり、悔しい思いをしたり、いろいろな思いをする時もあると思います。
その時は、どうか「ノブレス・オブリージュ」を思い出してください。
大変な思いをした時には、「自分はリーダーだから、この思いを乗り越え、皆を導く責任があるんだ」と思いだしてください。
そして、もうひと頑張りしてください。
第22話は、私が自信過剰にならないように、謙虚さを忘れないようにおこなっている、習慣についてお話します。