TOP
衛生管理コラム

第26話 各論では解決しない問題~対策は仕組みで考える~

よりよい組織作りのために

食品安全管理は、仕組みで考えることが大切です。
仕組みとは、何でしょうか?
(ある事柄に対して)全ての対策を網羅し、組み立てたものです。

微生物管理では、HACCPの12手順をもとに、対策を立て、仕組みを作ります。

以前は、製造現場ごとに、(細菌性)食中毒予防の3原則を元に、いくつもの対策を作りました。
しかし、その全対策をおこなえば、(細菌性)食中毒が予防されるかは、定かではありませんでした。
HACCPの12手順が示されたことにより、全体を網羅するルール作りができるようになりました。

仕組み作りをすると良い点が2つあります。
一つは、順序だって考えるために、ルールの抜けがなくなるということです。
もう一つは、全体が見渡せるために、それぞれのルールが理解しやすいということです。
人は理解したルールは守り安くなります。つまりルールが守られやすくなります。

仕組みを作らず、個別で解決しようとすると、視界が狭まり、何をやっているか分からなくなります。
全体を見渡せないので、抜け落ちがあるかも知れません。
個別でなく仕組みで考える、仕組み作りを意識することは、とても大切です。

第27話は、仕組みの一例として、ノロウィルス対策について考えたいと思います。

最新の衛生管理コラム 6件

マネジメントのヒント
第58話 戻れない時にとらわれず・・・ 前回まで、「人の一生は短い。後悔はせんように」 「今の仕事をやりつくそう」というお話をしました。 大学時代は、研究者として、大学に残るのが夢でした。 「目標」でなく「夢」という当たり…続き
マネジメントのヒント
第57話 行き詰まった時に思い出したい言葉③ 補える(おぎなえる)関係 TVアニメで「人は補ない(おぎない)あって生きていくもの」と言っていました。 主人公の駄目大学生が、理想の彼女と知り合い、好きになり、やがて結ばれていく内容で、 …続き
マネジメントのヒント
第56話 行き詰まった時に思い出したい言葉② 同じくNHK連続ドラマ小説の一場面。 植物学雑誌創刊に向けて、主人公の万太郎の部屋に友人が集まり、 論文を書こうとしても、筆が進まず、うだうだやっている学生をよそに、 万太郎は植物のスケ…続き
マネジメントのヒント
第55話 行き詰まった時に思い出したい言葉① 先日、NHK朝の連続テレビ小説「らんまん」で、印象に残るシーンがありました。 それは、主人公の万太郎が、植物学を追究するか迷っていた時、 「ジョン万次郎」こと中濱万次郎が、自身の経験を…続き
ペストマネジメント
第103話 人は理解しないと動けない 前話で食品衛生7Sについてお話ししました。 食品安全ネットワークによって、はじめて分かりやすく解釈され、提唱さたた食品衛生7S それまでは、整理、整頓、清掃、清潔、躾(しつけ)と、ただ5つ…続き
ペストマネジメント
第102話 食品衛生7Sを考える② 食品衛生においては、清潔な環境が最終的な目的になります。 その清潔を、実現するための行程を表しものが、食品衛生7Sです。 整理で、製造現場から不必要なものを取り除きます。 整頓で、残…続き