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衛生管理コラム

第41話 仕組みを動かすのは人

その他

第40話で、Jアラートを例に、仕組みが機能しないお話をしました。
第41話では、悲しい事故が二度と起こらないように、仕組みを動かすのは人ということを考えます。

静岡県牧之原市の認定こども園で、3歳女児が置き去りにされ、熱中症で亡くなるという痛ましい事故がおきました。
亡くなった園児のご冥福を祈り、園児のご家族に、お悔やみ申し上げます。

今回の事故は、事故防止のために決められていた仕組みが機能しなかったことでした。
確かに、事故防止の仕組みは、正しくおこなえば、問題はおこらないはずでした。
しかし、仕組みが幾重にもなっているので、誰かがやるだろう/誰かがやっただろうと思った結果、痛ましい事故がおきたのでした。

事故を起こした認定こども園では、園長が交代し、さらに、園児の人数確認のマニュアルが改訂され、10月6日から全面的に園児の受け入れが再開されました。
しかし、園児の人数確認マニュアルを見たら、「これは本当にできるのだろうか」と思うものでした。
ただでさえ、保育士達は、忙しいといわれています。
はじめは、できたとしても、だんだんと危機意識が薄れ、形だけになるような気もしました。

誤解を恐れずに述べさせてください。
幾重にもなった対策よりも、2重くらいの対策に絞って、数を減らしているからこその危機意識を持って、まちがいなく対応した方が、事故は防げる気がします。

今回の事故をきっかけに、置き去り防止を支援する安全装置や、置き去りを知らせる装置の開発が進められています。
しかし、装置ができたゆえの安心から、もっとも大切な「点呼」と「降りた後の最終目視確認」がおろそかにならないでしょうか。
「どんな仕組みも、動かすのは人」担当者の使命感・責任感に勝る対策はありません。
このことを忘れないようにしないといけません。

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