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衛生管理コラム

第42話 慣れた作業で人が無防備になる例

その他

前話で、仕組みを動かすのは人というお話をしました。
第42話では、「慣れた作業では、人は無防備になる」と題して、笑い話のような、仕組みが機能しなかった例をお話します。

これは、以前私が勤めていた会社であった話です。
会社の名誉のために、どこの会社とは申しません。

「どうして、皆さん気がつかないんですか」という声が、お昼ののんびりとした事務所に響きました。
経理事務の女性が、経理部長の前に立っています。

その会社では、出張申請書に、出張目的、内容を書いて申請し、出張後、出張報告書に、出張目的、結果を書いて、経費精算書類をつけて提出するようになっていました。

よく聞くと、営業課長が出張申請書に、出張報告を書いて、経費計算書をつけて、経費処理を依頼したとのことでした。
ここまでならありそうな話なのですが、間違って出張報告が書かれた出張申請書に、営業部長、事業本部長、経理部長と、全員の判が押してありました。
間違った課長も問題ですが、間違いに気づかず、営業部長、事業本部長、経理部長と判を押したのでした。
そして、最後に書類が廻って来た事務の女性が気づいたのです。
皆でチェックする仕組みがまるで機能しませんでした。

事務の女性の経理部長への声が大きかったのも、他の部長に知って欲しいとのことがあったようです。
「おーしまった!」という経理部長の言葉。
「慣れた作業では、人は無防備になる」分かりやすい例だと思います。

最後に「この書類、本社に廻ったら恥ずかしいですよ」と、事務の女性の言葉が続きました。

多分、本社の人も気づかないんじゃないかな・・・と私は思いました。

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