虫・異物混入対策のしくみは、製造ラインの異物混入が起こる可能性のある危険箇所と、虫が侵入/発生する、或は異物が発生する問題箇所をあきらかにして、総合的に管理していく方法です。
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問題箇所
虫が侵入/発生する場所
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危険箇所
異物混入が起こる可能性のある場所
防ぐには、
ここを押さえる
01防虫計画・異物管理計画
製造ラインの危険箇所と、虫が侵入/発生する或は異物が発生する問題箇所をあきらかにします。
製造ラインの劣化などにより異物が発生する箇所は、劣化点検を定期的におこない、異物が発生しないようにします。
虫が侵入/発生する問題箇所は、まずは虫が侵入/発生しないように対策をして、それでも侵入/発生してくる虫は、製造ラインの危険箇所に近づく前に捕獲するようにします。
防虫計画は①侵入/発生防止と、②危険箇所に虫を近づけないようにする2段階防除になります。
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第一段階
虫の侵入/発生防止
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第二段階
危険箇所に近づく前に捕獲
防ぐための
2段階管理
02モニタリング計画
モニタリングに使用するトラップは、侵入/発生してきた虫を捕まえる(駆除する)役目と、危険箇所に近づく前に捕獲する役目、危険箇所の環境を把握する(安全性を示す)役目をもちます。
そのため、トラップは、虫が侵入/発生してくる問題箇所、問題箇所と危険箇所の間、(危険箇所の安全性を証明するために)危険箇所の部屋に設置します。
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問題箇所
侵入/発生する虫の
捕獲と現状把握 -
問題箇所と危険箇所の間
危険箇所に
移動する前に捕獲 -
危険箇所
付近が安全に
守られていることを証明
設置箇所
03優先順位をつけての改善
製造ラインの危険箇所と虫が侵入/発生する或は異物が発生する問題箇所の位置関係、問題箇所の深刻度から、対策の優先順位が決まります。
対策の優先順位、予算を含む改善のしやすさから改善計画を組みます。
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A:問題が深刻で危険箇所に近い
D:問題が軽微で危険箇所からも遠い
これらの中間がB,C
→優先順位:A > B , C > D
グラフ凡例
横軸:問題箇所と危険箇所との距離
縦軸:問題の深刻度
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A:改善順位は高い/費用がかかり実行難易度が高い
B:改善順位は高い/費用は少なく実行難易度も低い
C:改善順位→低い/費用がかかり実行難易度が高い
D:改善順位→低い/費用は少なく実行難易度も低い
→改善順位:B , A ※ > D > C
グラフ凡例
横軸:必要予算と実行の難易度
縦軸:改善順位
04対策に優先順位をつけることの利点
予算が無駄なく組める
対策の優先順位が決まると、優先順位が高い、つまり深刻な問題から予算をかけられます。
対策を守りやすくなる
対策には、作業の手間が増えるものもあります。そのため一度に多く対策することは、改善の失敗につながることもあります。もっとも優先順位が高い対策から始め、うまくいったら次の対策へと、徐々に進めることによって、対策を守りやすくなります。
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予算を無駄なく組める
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対策を守りやすくなる
優先順位をつける
利点
05虫・異物混入対策をしくみ化することの利点
虫・異物混入対策をしくみ化することの利点は、効果が上がることです。
製造ラインを中心に、しっかりとした防虫計画を組み、改善を実施していきます。
分かりやすい製造ライン図を描き、モニタリング結果を分かりやすく表し、製造環境を表します。
分かりやすく表すことによって、皆が結果を把握し、改善案を出しやすく、そして守る気にさせます。
虫・異物混入対策のしくみ化は、製造ラインを中心に、優先順位をつけて対策を立て、製造環境を把握しながら、現場が動きやすいように工夫するため、効果は上がります。
06私が対応します。
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35年間以上、防虫関係の仕事に携わって来ました。
今までいくつもの工場の防虫計画を立て、運用にも関わってまいりました。
「どうしたら製造ラインが守れるか、対策が活かされるか」に取り組みました。
きっと皆様のお役にたてると思います。
(理学修士、ペストコントロール1級技術者、HACCPコーディネーター、食品安全ネットワーク会員、ペストロジー学会会員) -